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金沢市、宿泊税スタート

 金沢市内全ての宿泊施設利用者から1泊200~500円を徴収する市の宿泊税が1日、導入された。導入は全国4例目で、ホテルや旅館では利用客に税額について説明する対応に追われた。市によると初日は大きなトラブルや苦情は無かったが、制度を「知らなかった」と驚く人もおり、行楽シーズンに向け、市は引き続き制度周知に取り組む。

 市の宿泊税は、1人1泊につき宿泊料金が2万円未満の場合は200円、2万円以上は500円が課される。ホテルや旅館、簡易宿所、民泊などの事業者が徴収し、市に納入する仕組みとなる。

 ホテル日航金沢では、フロントのスタッフが「金沢市では宿泊税を導入します」と書かれた市のチラシを使いながら、チェックインする利用客に制度について説明した。

 会社員網澤達哉さん(20)=東京都江東区=は制度を知らず驚いたとし「地元のために使われる税金なら良いと思うが、正直に言えば無いほうがありがたい」と苦笑した。同ホテルの担当者は今後について「特に外国人観光客には、制度を理解してもらえない場面があるはず。この時期は宿泊者が多く、不安だ」と警戒した。

 ANAクラウンプラザホテル金沢では、9割程度の利用者が事前に制度を把握しており「順調な滑り出し。今後も丁寧な説明を心掛けたい」とした。西町四番丁のゲストハウス「蒼風庵」の担当者は「宿泊税を案内することも大事だが、決済方法など、今後試行錯誤していく部分はたくさんある」と腕組みした。

 市によると、宿泊施設を運営する特別徴収義務者354施設のうち、3月31日までに登録申請があったのは81%に当たる287施設。市税務課の担当者は、引き続き事業者に登録を呼び掛けるほか、市外への制度周知が大切だとし「観光関係の部局とも連携し、多言語対応のチラシなどを配布したい」と話した。

 宿泊税は自治体が独自に設ける法定外税で、これまでに東京都、大阪府、京都市で導入されている。金沢市は初年度の税収を6億6千万円と見込んでおり、無電柱化など計46事業に活用し、市民生活に配慮した観光や歴史・文化の振興に生かす。